第二の人生、気ままに生きる

60歳で退職しました。その後の自由な人生を記録と周辺のおもしろ情報など

読書

『タカラモノ』和田 裕美(双葉文庫)

ママとパパの間は冷え切っていて、お互いに好きな人と好きなことをしているらしい。家計も別々、冷蔵庫の中のものも、それぞれのものである。そんな家庭で育った次女の主人公は、それでもママのときどきのアドバイスに助けられながら成長していくのです。端…

『芽むしり仔撃ち』大江 健三郎(新潮文庫)

ノーベル賞作家の初期長編です。大江健三郎を読まず嫌いしていた私は、これが2冊目の読書となりました。『死者の奢り/飼育』を前に読んで、とても面白かったので、期待していましたが、期待通りの面白さでした。「小説は、書いてあること自体が面白いもの…

『少年』ロアルド ダール (ハヤカワ・ミステリ文庫)

短篇の名手・児童文学の巨匠とも言われるダールの自伝です。ダールの自伝は2部作に解れており、この本は前半にあたります。作者の最古の記憶にある幼少期から学生時代、サラリーマンとしての社会生活まで、おもしろおかしく書かれています。面白くない話は…

『マリコ』柳田 邦男(新潮文庫)

「マリコは病気だ」マリコとはアメリカの情勢を示す暗号です。アメリカとの交渉はうまくいっていない……日米開戦直前、暗号として使われたマリコは、実在する少女の名でした。日本の外交官とアメリカ人の母との間に生まれたマリ子。父の努力もむなしく、日本…

『大地の五億年 せめぎあう土と生き物たち』藤井 一至(ヤマケイ文庫)

地球にあって、月や火星にないもの、それは土。土とは、岩石が細かく砕かれた砂や粘土に、植物の遺骸が分解された有機物(腐植)が混じり合ってできたものを言うのです。従って、植物が生息していない月や火星に土はありません。岩石しか無かった地球の陸上…

『異常とは何か』小俣和一郎(講談社現代新書)

この本でいう異常とは、精神の異常のことです。精神科医である著者が、異常について掘り下げた内容となっています。認知症や精神薄弱のような必要な要素が不足している異常は解りやすいですが、一方で過剰な要素が突出している異常があります。それに注目し…

『マイ・ディア・ポリスマン』小路幸也(祥伝社文庫)

特に事件らしい事件が起きず、目標らしいものもない平凡な日常を描いたエンターテインメント? な小説です。ストーリーとは、主人公の成長を描くことだとしたら、状況の進展のみでストーリーはありません。そんな小説のどこが面白いか、その答えがこの本にあ…

『天気の不思議を読む力』トリスタン・グーリー(エイアンドエフ)

空にも雲にもたくさんの種類があり、それを読むことにより、今後の天候を予想することができます。海・山・川が揃った田舎で育ち、仕事も半分アウトドアな私も、ある程度、その能力を持っていますが、この本は、系統立てて、科学的に解説してくれます。なん…

『なぜ働いていると本が読めなくなるのか 』三宅 香帆 (集英社新書)

少し前にベストセラーになった本ですが、本を読めなくなった人が読む本というすごいコンセプトの題名に驚きました。 ちなみに、わたしは、読んでいません。 なぜかと言えば、働いていても、本を年間100冊くらいは読んでいたからですね。 別に速読とかそうい…

『海も暮れきる』吉村 昭(講談社文庫)

尾崎放哉は、東大を卒業後、現・朝日生命保険の大阪支店長まで上り詰めましたが、勤務態度・酒癖が悪く退社させられ、結核に侵され、美しい若妻とも別れ、一人、瀬戸内海に浮かぶ小豆島まで流れていきます。絵にかいたような転落人生、俳句の同人に無心を乞…

『オンリー・チャイルド』ジャック・ケッチャム(扶桑社BOOKSミステリー)

USAアメリカ合衆国の暴力的な悪い部分を存分に描いた小説です。一つは銃社会だということ、そして、訴訟社会だと言うことです。暴力を取り締まるための法律でも、過度な規制により、そのもの自体が暴力になる……そんな社会がアメリカです。変態な元夫に息子を…

『小夏と麦の物語』飛騨俊吾 (双葉文庫)

2本の中編小説が載っています。どちらも、若いカップル~夫婦と、ペットの交流を描いた作品になります。「ニューサマーオレンジ」トイプードルの小夏は、保健所の施設から主人公の女性に助けられます。それから、1匹と1人の運命が変わり始めます。小夏は…

『トレイルズ (「道」と歩くことの哲学)』ロバート・ムーア

トレイル、日本語で言うと獣道とでも言うのでしょうか。トレイルとは、もう少し広い意味で、獣が頻繁に通って踏み固められた道の他に、人間や虫やその他の生物なんでもつくることが出来る道です。それは、必要に応じて、点から点を結ぶ道と言うことになりま…

『冬物語』タニス リー (ハヤカワ文庫)

雪のトレイルをモクモクと歩いていると、読みたくなってしまう本です。もう40年以上前に読んだのですが、この寒波で再読してしまいました。英国幻想文学大賞受賞作家として知られるタニス・リーの本格ファンタジー小説2作が載っています。表題作『冬物語』…

『腸は考える』藤田 恒夫(岩波新書)

腸にある基底顆粒細胞は、腸内に入ってくる物質をキャッチしホルモンを分泌する働きを持っているのですが、発見されたのは20世紀の後半になります。その細胞は、たくさんの種類があり、検出する物質は一つか二つくらいで、分泌するホルモンの1種類なのです…

『絶望図書館: 立ち直れそうもないとき、心に寄り添ってくれる12の物語』頭木 弘樹(ちくま文庫)

以前、ご紹介した『絶望名言』の紹介者である頭木さん編集のアンソロジーです。彼が二十歳から十三年間にも及ぶ絶望の入院生活の中で、心に寄り添ってくれた12篇の短篇小説・エッセイ・コミックが載っています。とは言っても、それほど暗い雰囲気のものでは…

モーニングノートを書き始めた。

1 モーニングノートとは 小説家、劇作家、作詞家、詩人として、演劇、映画、テレビで複数の作品に出演している活動的なアーティストであるジュリア キャメロンが書いた『ずっとやりたかったことを、やりなさい』、そして、その本のシニア版『いくつになって…

ボルヘス怪奇譚集 (河出文庫)

92篇の短い話が200ページに満たない本につまっています。ボルヘスらしく、空白も多いので、かなりスカスカと思いきや、内容は濃い1冊。古今東西(西洋・東洋)から、選りすぐりの掌編を並べています。有名なところでは胡蝶の夢や、O・ヘンリー、カフカの短篇…

『応仁の乱 戦国時代を生んだ大乱』呉座勇一(中公新書)

歴史って昔の話を勉強しても何の足しにもならないと思って、学生時代は、まったく勉強しなかった私ですが、社会人になって戦国・幕末などに興味を持ち、歴史本を読むようになりました。しかし、戦国時代が幕を開ける切っ掛けと言われる応仁の乱のことは、全…

雪原のトレイルを歩く

吹雪が収まり、凍てついてはいるけど無風状態になったので、雪上のトレイルを歩いてきました。車道に面せずに歩けるのは楽しいものです。 雪国育ちの私は、子供の頃、毎日のように雪道を歩いて学校等へ通いました。 雪道は狭いので、友達といっしょにあるい…

『あした咲く蕾』朱川湊人(文春文庫)

直木賞作家の昭和の不思議短篇集。スプーン曲げやテレパシーのような超能力や、付喪神など、昭和の東京の下町の庶民生活に溶け込ませて語られる7篇の小品です。あした咲く蕾……自分の生命(寿命)を他の生物に分け与える能力を持つおばさんあまつぶ通信……雨…

『君は宮崎勤をどう見るか』宮川 俊彦(中野書店)

当時、マスコミで騒いでいたのは分かったのですが、新しい職場に移ったばかりだったので、詳しいことはまったくわかっていませんでした。知人からもらい受けた古本の中に入っていたので、どんな事件だったのか、改めて読んでみました。逮捕された犯人がステ…

『続・豚が死なない日』ロバート・ニュートン・ペック(白水社)

ベストセラーとなった『豚が死なない日』の発行から22年後、ついに続編が発表されました。前作からクリスマスまでの数か月を描いています。主人公の少年は13歳になり、亡くなった父親の代わりに一家を支えようと、学校と仕事、そして恋を両立させるため、奮…

『風花病棟』帚木 蓬生(新潮文庫)

小説やドラマに登場する医者の主人公は、天才外科医であったりボッタクリ悪医であったりするものですが、この本に登場する医師は、名医でもなく悪医でもない普通の医師です。そんな良医を主人公にした短篇小説が10本掲載されています。さらに一遍事に花が添…

『感染症 増補版-広がり方と防ぎ方』井上 栄(中公新書)

2019年、新型コロナウイルスが世界中に蔓延し経済を停滞させたことは記憶に新しい。それより16年ほど前2003年、新型コロナウイルス重症急性呼吸器症候群SARS(サーズ)が、世界に広がっていたことは、日本での発生が無かったこともあって、忘れている人も多…

『鶏』山上 龍彦 (河出文庫)

地方の物産を都会に売り込むため、商社、行政、国、生産者たちの奮闘を描いています。異臭を放つナマズの漬物を売ろうとするところから始まり、地酒や地鶏などが紹介されて行きます。この辺から、なんとなく懐かしい匂いがしてきました。ふっと、気が付くと…

『アメリカ彦蔵』吉村昭(新潮文庫)

江戸時代末期、初めての航海で、わずか十三歳で難破し、アメリカ船に救助された彦蔵の生涯とともに、彼と関わった漂流民たちの顛末を追う展開となります。日本における鎖国政策や攘夷運動、明治維新の開国、そしてアメリカにおける南北戦争と彦蔵の歩く道に…

『絶望名言』頭木弘樹 NHK〈ラジオ深夜便〉制作班 川野一宇 根田知世己(飛鳥新社)

将来に向かって歩くことは、ぼくにはできません。将来にむかってつまずくこと、これはできます。いちばんうまくできるのは、倒れたままでいることです。(カフカ フェリーツェの手紙) 思わず吹き出してしまいそうになった方は幸せな方です。心に染みてしま…

『校閲ガール』宮木 あや子(角川文庫)

なんらかの出版に携わった人なら、校閲のことはご存じでしょう。誤字脱字や整合性をチェックする仕事です。ファッション雑誌が大好きなガール(と言っても大学を卒業しているのだから立派なレディである)が主人公。ファッション雑誌編集志望であり、そのこ…

『ボケの原因を探る』黒田 洋一郎(岩波新書)

少し古くなりますが、アルツハイマー病についての本です。アルツハイマー型認知症と、加齢における認知症の違いや、それらの原因などを知ることが出来ます。この二つのメカニズムはほとんど同じで、見分けることが困難なことも多くあるそうです。また、脳の…