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1 瀬木比呂志ってどんな人
1954年生まれの名古屋市出身の明治大学法科大学院の教授。
東京大学法学部卒、東京中心の裁判所に勤め、最高裁判所には、事務消極民事局局 付、最高裁調査官として勤務した経験をもつ。
『ニッポンの裁判』により第2回山城三郎賞を受賞
2 本の概要
どこの会社や組織にもあると思いますが、能力や実績に関係なく、上の方針に疑問を持たずただただ準ずるだけの輩が出世して、過ちを正したり、改善したりしようとする者は冷遇される。そんな人事が、ことに裁判官にとっては徹底されている。
つまり、最高裁幹部の意志に沿わない判決を出した裁判官は、地方へ飛ばされたり、出世コースから外されることとなる。そんな人事を続けているので、結論ありきの判決となってしまうと著者は嘆く。
また、家裁などでは、被害者が納得しようがしまいが、とにかく示談を奨め、事件を手っ取り早く解決したい裁判官も多く、そこには正義はない。
それは、裁判官の資質にあるのではなく、人事システムにあると主張する。それが変らなければ、悪くなる一方で、最高裁の思惑通りの判決しか出ないことになる。
その改善策として、著者は、法曹一元制度の導入を提案する。
3 法曹一元制度とは
裁判官を弁護士経験者から選ぶ制度。英米法体系の国で採用されている制度で、市民感覚の裁判が行われる可能性が高いとされている。
日本でも導入を検討されたことがあるが却下されており、著者も抜本的な改革には、裁判所当局や法務省が死に物狂いで抵抗するだろうから、彼らを信用しないように警告している。
4 終わりに
著者の憶測や噂話をネタに書いてあるので、文系の論文はこの程度でいいのか? と理系のわたしは感じてしまいました。
とは言え、ありそうな話でもあります。
とりあえず、衆議院議員総選挙と同時に行われる「最高裁判所裁判官国民審査」には、全員に×をつければ間違いないことが伺えました。今までは、もし、良い裁判官だったらどうしようと×をつけることを躊躇していましたが、全員が、資質不足なら遠慮なく×をつけることができます。
そして、何より、裁判沙汰になるようなことにはかかわらないことです。
