暑い、暑い。
ホラーでも読もうか。
1 問題のアンモラルホラー
以前から気になっていた、カルト的ホラー小説『オフシーズン』は、問題小説を連発するケッチャムのデビュー作です。
初の単行本化にあたり、大幅な修正を加え、かなりマイルドにして出版されたにもかかわらず、内容の凄惨さから、出版社へ非難が殺到しました。売り上げは好調だったのですが、出版社が世間の反応に恐れをなし、絶版になりました。その後、カルト的な一部のファンの伝説的な作品となり、ついに英国版が出版されました。
英国版は、ややオリジナルに近い表現で出版されましたが、作者は、まだ満足していなかったようです。
そして、ついに邦訳が……かなりオリジナルに近い形で出版されたのです。
2 内容
男女6人(3組のカップル)が、アメリカの田舎に家を買った記念のパーティをするために集まります。そこへ、食人族が襲い掛かるのです。
何を言っているのか解りませんね(笑)
その食人族というのは、大家族で海岸の洞窟で暮しており、国家に認知されていない一族です。彼らは、普通の人間を獲物(食料)として見ており、人間が野生動物(または家畜)にするのと同じ行為を普通の人間に対して行います。つまり、吊るして血を抜き、捌き、丸焼きにするなどです。
食人族が遊び場にしていた家を買ってしまったのが運の尽きと言うことです。
食人族には、たくさんの女・子供もいて、彼ら彼女らも凶暴です。女の子であろうと、幼い子であろうと、妊婦であろうと、爪を立てたり噛みついたりして集団で人を襲います。
ゾンビ映画のゾンビが食人族に変わったと考えれば良いでしょう。
1980年ころに流行ったスプラッターホラーの世界です。
3 注意事項
とにかく、気持ち悪く吐き気をもよおすような描写が連続します。わたしは、血液検査のとき、抜かれた血を見ると貧血気味になるので目をつぶりながら他のことを考えているくらいビビりなので、スプラッタ系の映画をまるまる見ることはありません。そんなわたしは、小説を読みながら、脳内再生するときは、モノクロの劇画調で行いました。これくらいなら、持ちこたえられるからです。それが小説の良いところですね。
また、訳者あとがきに書いてありましたが、冒頭のまえがきを読まない方が良いです。ネタバレのオンパレードです。もっとも、それを読んでいたおかげで、恐怖のストレスが緩和されてわたしにとっては丁度よかったですが、この手の映画などがお好きな方は読まない方が良いでしょう。
ということで、ホラーを読みたくなる季節がやってきましたが、胸糞ホラー作家、ケッチャムに挑戦するのはいかがでしょう。お勧めしませんが(笑)
「Amazonのアソシエイトとして″第二の人生、気ままに生きる"は適格販売により収入を得ています」