第二の人生、気ままに生きる

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『鳥島漂着物語 18世紀庶民の無人島体験』小林 郁(天夢人)

新編 鳥島漂着物語 18世紀庶民の無人島体験

Googleマップで、八丈島から、ずっと南に進むと小さな無人島を見つけることができます。アホウドリの繁殖地で知られる鳥島です。
江戸時代、難破して漂着する人々がゼロからサバイバル生活をして生還する事件がありました。もっとも知られているのが、吉村昭の小説『漂流』で描かれた無人島長平でしょう。彼は、4人の仲間と鳥島に上陸し火が無い生活をつづけ2年も経たないうちに3名が命を落とし一人になってしまいます。漂着から三年後、新たに11名の漂流者が合流、火を手にいれました。それから三年後に6名の漂流者があり、大工道具がもちこまれ、彼らは流木などから船を作り脱出し十三年ぶりに救出されることになったのです。
また、それより前に、漂着・生還した船乗りたちがいました。彼らは12名で上陸しましたが14年の無人島生活で生き残ったのは3名のみでした。
鳥島は火山島で、木も生えず、水も湧かず川も無い悪条件の島でした。ただ、アホウドリが生息していて、近寄っても逃げないアホウドリは、取り放題。食料・衣服はアホウドリが供給してくれる好条件がありました。
漂流者たちは、肉食メインのため同じ時代の人たちより体格がよくなっていたようです。
本書では二つの漂流譚と、彼らの微かな足跡を追って、その後の消息まで調べられています。当時の記録を綿密に調べながら、真実を予測して書かれているので、ドキュメントでも伝記でもなく物語としていますが、分からないところは分からないとしており、信ぴょう性は高いと思いました。
ロビンソン・クルーソー十五少年漂流記など、キャンプに毛が生えたような無人島漂流記もよいですが、ほんとうのサバイバルは、片手・片足を失ったような苛酷さがあります。そこにあるもので生き抜かなければならず、貧しく単調な生活に耐えることが条件になるのです。

新編 鳥島漂着物語 18世紀庶民の無人島体験

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