ハインラインの初期の傑作選と呼べる本。
5篇の短編が載っていますが、表題作「月を売った男」は、中編小説といえるほどの長さがありました。
アポロ計画もなかった時代ですが、人類が近い将来、月に行くとしたらという設定で、考えうる限りの知恵を絞って書かれていました。月の土地は、新大陸発見並みの富を生み出すだろうと考える実業家たちは、その所有権を確実なものとするため、あの手この手で奔走します。地球上の土地の所有が、その地下と上空、どのくらいまであるのか? もし、高度が無限大とするなら、地球の中心から所有している地表の土地の上空は扇状に、その土地の所有者に権利があるのでは? と考えて、真上の空を月が通る土地を買いあさったりします。国連にも働きかけながら、確固たる所有権・利用権を確保しようとするところなどアメリカ人らしいと感じました。
利権とは別に、月に降り立ちたいというロマンも同時に併せ持っているところが泣けるところです。
続編の短編「鎮魂歌」では、そのあたりが描かれており、利権だけではなく、ロマンが実業家を動かす感動のラストにしています。
現実では月に降り立つことができましたが、月を開拓するまでは行っていません。
まだ、我々には、宇宙開拓の世界を創造する余地が残っているということでしょう。
「Amazonのアソシエイトとして″第二の人生、気ままに生きる"は適格販売により収入を得ています」
