第二の人生、気ままに生きる

60歳で退職しました。その後の自由な人生を記録と周辺のおもしろ情報など

『ドキュメント生還2 長期遭難からの脱出』羽根田 治(山と渓谷社)

ドキュメント生還2 長期遭難からの脱出

以前に紹介した『ドキュメント生還』の続編になります。
今回の目玉は、遭難者が残した手記を、遭難記事と並行して乗せた部分でしょう。記事だけ読むと冷静に行動していたように見えますが、リアルタイムで書かれた手記には、葛藤や焦り、幻覚などがはっきり記されており、決して、冷静な部分だけではなかったことがわかります。人間は、冷静な部分と焦っている部分が同時に共有され、結果的にどう動くかがのちの運命に差をつけていくのでしょう。遭難者は、手記を書いて毒を吐いたことが冷静な行動につながったと語っています。紙と鉛筆が意外なところで役に立ったようです。また、後半では豊富な事例を矢継ぎ早に出していて、大まかな傾向を示しています。
とどまるべきか、脱出を試みるべきか、留まって助けを待った方が助かる率が高そうですが、逆に捜索が打ち切られた後に自力で下山したり、発見されたりしたケースもあり、助かるか助からないかは紙一重の部分が大きいということでした。
また、迷ったら引き返すが原則中の原則ですが、皆、わかっていながらそれができないのは、数々のバイアス(確証バイアス、正常性バイアス、楽観主義バイアス、それまでの苦労を無にしたくない心理傾向など)に打ち勝たなければならないことにあるようです。
また、主なネット環境からくる行き過ぎた自己責任論にも問題を提起していました。

ドキュメント生還2 長期遭難からの脱出

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