
直木賞受賞の2年前に「日本ホラー小説大賞短編賞」を受賞したのが、この作品になります。短編と言っても中編小説クラスのボリュームがあり、読み応えがあります。
表題作は、とにかくキャラが立っていて、除霊をする3人、それぞれに個性があります。
主人公の少年ジュンは、自分で歩くこともできない障害を持っており、霊を一時的に閉じ込めておく部屋を作ることができます。除霊師の先生は中年女性で、強力な力を持っています。マネージャーは先生の実弟で霊を見ることもできない一般人ですが、交渉力があり除霊の料金などの考証にあたっています。
この3人で、いろいろな依頼をこなしていきます。短い中にも、普通なら文庫1冊分になろうかという内容を密度高く入れられていて中だるみがなく退屈しませんでした。
二編の作品が収められていますが、もう一つは「鉄柱(クロガネノミハシラ」です。
前作より少し長く、地味ですが、味わい深い短篇です。満足死について書かれていて、理想的な一生を送り満足して自死するのを無上の喜びとする街の物語になっています。
なお、作者の直木賞受賞作『花まんま』は、今年、映画化され公開されました。