
ノーベル賞作家の初期長編です。大江健三郎を読まず嫌いしていた私は、これが2冊目の読書となりました。『死者の奢り/飼育』を前に読んで、とても面白かったので、期待していましたが、期待通りの面白さでした。
「小説は、書いてあること自体が面白いものが一番おもしろい」という私の持論に当てはまるのが彼の小説だと思ってます。
太平洋戦争末期、山奥の村に疎開してきた感化院の悪ガキどもが主人公。もう、この辺でおもしろすぎです。さらに、その村で疫病が流行り出し、村人は、悪ガキどもをおいて夜逃げします。しかも、悪ガキどもが村から出られないように、猟銃を持った見張りを出口(深い谷をトロッコに載って超えないと出られないという設定)においていました。
取り残された悪ガキどもは、村の家々を占領してしまうのです。
村に残された生き残りの朝鮮人の青年、脱走兵、少女各1人も絡んで、疫病の恐怖に怯えながら、村での生活を確立しようとしていきます。
こんな話がおもしろくないわけがないので、やっぱり面白かったのです。