第二の人生、気ままに生きる

60歳で退職しました。その後の自由な人生を記録と周辺のおもしろ情報など

『鏡の中のれもん1』久美沙織(コバルト文庫)

なんとなくラノベを読んでみたくなったのですが、読みたくなるようなタイトルが無かったため、昔読んだ本を再読することにしました。コバルト文庫は、中高生の少女向け小説のレーベルですが、大学の文芸部でその存在を知り、好奇心で読みまくった時期がありました。コバルト四天王(氷室冴子、久美沙織、田中雅美、正本ノン)の作品をはじめ、けっこう読んだのですが、男子大学生向けではないので、ほとんど頭に残らず、唯一、読めた作家は久美沙織だけでした。
その中でも、一番だと思ったのが、『鏡の中のれもん』(全9巻)です。
少女向け小説で巻を重ねるのは、冒険と言われていたころ、久美沙織は例外的に大長編を書いていました。前作の『丘の家のミッキー』(全10巻)は、純粋無垢のお嬢様が主人公でしたが、『鏡の中のれもん』は、わがまま性悪お嬢様が主人公です。
主人公の内藤結実は、女優を目指し演劇部で活躍する中学生。その性格は、自分の演技で人を意のままに操ろうとする典型的なナルシストなのです。YouTubeの社会系動画では、「こういう人からはすぐ逃げろ」とか言われるような性格です。
結実は、実の兄を愛していてしもべのように扱いますが、そこに、地味で根暗な同級生の従妹が居候としてやってきたのでさあたいへん。はじめはしぶしぶながら世話をペースを乱された結実は、その従妹を罠にかけ演劇部で笑い者にしてしまいます。
また、兄が従妹とデートしていたと見るや、手ごろな先輩を好きになった宣言をして兄の反応を見て楽しむという小悪魔っぷりを発揮するのでした。
うーん、性悪美少女……『丘ミキ』は再販されたけど、この作品は埋もれてしまってプレミアついているのは、内容が過激すぎるせいかしら?
とりあえず、還暦すぎの自分としては、「性悪でも良い、たくましく育ってほしい」と孫娘を見守るがごとく、全9巻を読み返すことにします。