
世の中にはびこる疑似科学とは何か、どう対処していけばいいのか。
本書は、疑似科学の代表例であるルイセンコの農業論を上げ、その広がりから、ロシア・中国に大飢饉を発生させた経緯を検証します。
一般的に科学的だと認められている科学にも、イデオロギーや社会的習慣による科学者の価値観が入り込んでいる可能性があるので鵜呑みにすることはできないでしょう。しかし、社会的に必要とされる部分も有用であり、不確実ながら使用せざる追えない場合もあること(例えば、新型コロナウィルスのワクチン)を理解する必要があります。
ほんとうの科学は、暫定的なものであることを理解することからはじめなければなりません。前提となる条件があり、その条件の外では必ずしも普遍的なものではありません。例えば、ニュートンの万有引力の法則は惑星の軌道を計算するうえでは有用ですが、一般相対性理論の時空のゆがみまでは考慮されていません。また、一般相対性理論も量子力学があつかうミクロの世界ではそれだけでは説明できない現象もあるわけです。
科学に携わる者は、その方法が十分に科学的であっても、課題の選定には価値観がどうしても関わってくるわけですし、その結論や仮説も、その科学者が所属する社会や、個人的な価値観の影響を少なからず受けてしまいます。
少なくとも、疑似科学にだまされない程度の見極めと、正真正銘の科学であっても、そこに働いている価値観まで含めて検証していかないと、時代とともに変わってくる必要性からのズレに戸惑うことになりかねません。
















