
吉村昭が毎日新聞にて連載した自伝的な長編小説。著者が結婚して、妻を共に作家としてよろよろ歩く姿をユーモアもあるがペーソスの方が若干強めで描かれています。
会社員として働きながら、地道に同人誌に作品を発表し、芥川賞候補に選ばれながら、受賞にいたらない日々が淡々と記されています。
その中で出会う変った人たちや、妻、兄弟とのやりとりなど、クスリと笑わせられます。
氏のすぐれた歴史小説などに比べるとイマイチ平凡さを感じますが、わたしにとって、創作者としての生き方を思い出させられる一作でした。
(画像はちくま文庫ですが、わたしは文春文庫で読みました)